愛犬ダルが動けなくなった頃、わが借家の紫陽花に花がついているのに気づき、なんとなく「紫陽花が咲いたらダルが死ぬ」と思った。
歩けなくなって三日ほどは、立たせてやると壁をつたって自力で歩き、エサもよく食べた。最後まで焼き芋が大好きだった。犬用ミルクもよく飲んだ。
ダルを見送って、紫陽花が色をつけて咲いているのを見た。私があんなこと思ったからダルが行ってしまったなんてことは思わない。寿命だったんだ。
この紫陽花はいつもお世話になっている方が、ダルにとくれた。紫陽花忌だね。紫陽花が咲く頃は毎年ダルを思い出すのかな。泣いてばかりだとダルが行けないよ悲しむよと慰めてくれる。ダルの可愛い写真を携帯の待受にして、ダルに話しかけている。でも哀しいものはかなしい。買い物帰りでも車の中でも、泣くのは仕方ないと自分自身泣くのを許した。10日経って、悲しさに変化が出てきた気がする。苦しさがなくなった。でもいないと分かっているけど庭を探してしまう。ダルの気配もなく、いるはずのダルがいないだけそんな日常。
可愛かった本当にかわいい犬だった。ありがとうダル